恋する組長

作者:笹本稜平|光文社文庫
関東の地方都市で、ヤクザと警察を相手に探偵稼業を勤める男を描いた連作小説。
冒頭の話では、正月明けの事務所でヤクザが首をつっており、いきなり警察に疑われる。
次の話ではヤクザの組長から失踪した犬を探すようにすごまれ、遺跡を発掘する。
若頭が不細工な嫁から逃げ出した現場に、別のヤクザの死体があり、消失する話。
○暴の刑事から嫁の浮気調査を命じられる話。
ギャンブル特区の抗争で、町全体のヤクザが浮かれる話。
老いらくの組長がフィリピン人に恋をする話。
ストーリーには起伏があって、面白い。
台詞回しはユーモアと毒舌にあふれているし、これはこれで悪くない。
でも、この作家は他の強烈な面白さがある作品を読んでいるので、少しがっかり。
初読の小説家の作品なら、十分面白いが、笹本稜平の小説となるとかなり物足りない。

恋する組長 (光文社文庫)

恋する組長 (光文社文庫)