東京島

作者:桐野夏生新潮文庫
夫と共にヨットで世界一周クルーズに出た清子は、暴風雨にあい、孤島に流れ着いた。
その後、日本の若者や、中国人グループが漂着するが、清子以外はすべて男性だった。
遭難から1年後、夫は死亡し、清子は女王として君臨することになる。


戦後のアナタハンの女王をベースにした作品だが、内容は少し異なる。


清子の年齢が40代半ばで、女性としての魅力が終わってしまいそうなことに危機感をもっていること。
半分は清子の記述だが、残りは絶海の孤島に取り残された男たちの絶望が描かれる。
清子のずるさと、男たちの狂気に満ちた作品で、想像力をかき立てられ、読み応えがあった。

東京島 (新潮文庫)

東京島 (新潮文庫)