生き屏風

作者:田辺青蛙角川ホラー文庫
村外れで、馬の首の中で眠る妖の皐月は、造り酒屋から奇妙な依頼を受ける。
亡くなった奥方が、屏風に居座り、その相手をしてほしいという。
皐月は気が進まないまま、造り酒屋に向かい、奥方の話し相手となる。
妖として、経験してきたことを話していると、次第に打ち解け始める。
だが、奥方の成仏を望む家族は、屏風を引き取ってもらいたいという。
第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作で、他に2編が収録されている。
不思議な雰囲気が漂っている作品で、受賞作にはふさわしいだろう。
他の2編の出来も悪くない。ただ、恒川光太郎ほどの筆力はないと思う。
そこそこ面白い作品。

生き屏風 (角川ホラー文庫)

生き屏風 (角川ホラー文庫)