七夕しぐれ

作者:熊谷達也光文社文庫
昭和30年代後半の仙台で生活をする小学生の物語。
小学5年生の和也は、県内の田舎町から仙台に引っ越ししてきた。
長屋には同級生のユキヒロやナオミがいて、友達になろうとする。
だが、クラスメイトはユキヒロとナオミに対して冷たい態度をとっていた。
クラスメイトともユキヒロやナオミとも仲良くしたい和也は悩む。
そこには古くから続く差別問題が横たわっていた。
本能的に差別はよくないと感じた和也はユキヒロと直美と友達になることを選ぶ。
直後からクラス内で激しいイジメにあい、へこたれそうになる。
長屋の住民たちに励まされ、3人は学校に復讐を企てる。
和也の3ヶ月間を描いたノスタルジックな物語。
差別問題は東北なので、それほど深刻ではない。
そこそこ面白く、さらっと読める作品。
事なかれ主義の教師たちの卑小な存在が、和也たちの活躍を際立たせている。
その後を匂わせつつ終わり、彼らの行く末を知りたいと思うが、これでいいのかも。

七夕しぐれ (光文社文庫)

七夕しぐれ (光文社文庫)