ジョーカー・ゲーム

  • あらすじ

太平洋前夜の昭和12年日本陸軍はD機関なるスパイ養成所を設立する。
発案者の結城中佐は、過去に敵国に潜入し、過酷な拷問を耐え、脱走した経歴を持つ。
結城中佐の元に集められた生徒たちは、様々な訓練を課され、実戦に出ていく。
誰がスパイで、主人公なのかが明かされないまま、騙しあいが続く。
東京、横浜、ロンドン、上海でスパイ活動を行う訓練生の活躍を描いた短編集。

  • 感想

昭和初期のスパイを扱った小説ということで、かなり期待をした。
この作品には5編の作品が収録され、それぞれ独立した話となっている。
それぞれにスリルがあり、面白かったが、1冊の本として読むと、ぼやけた印象。
騙し方も地味だし、結城中佐の凄みを垣間見ることはできるが、彼の過去は明かされない。
決して面白くないわけではないが、書店員の「徹夜作品」という感想は大げさすぎる。
本屋に働いているから、良い小説をたくさん読んでいるわけではないだろう?
帯に彼らの感想が書かれると少しうんざりしてしまう。
でも、もう1冊くらいはこの作家の本を読んでみたいと思う。

ジョーカー・ゲーム

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