デッド・ウォーター

作者:永瀬隼介|文春文庫

  • あらすじ

5人の女性を強姦し、殺害した希代の殺人鬼の穂積壱郎は死刑囚として収監されていた。
彼は罪を悔いることはなく、死刑は怖くないと嘯いていた。
ライターの加瀬は、穂積に興味を持ち、接触し、インタビューに成功する。
売れないルポライターから抜け出すチャンスをつかみ、加瀬は穂積に密着する。
異様な犯罪者の告白を聞き、傑作となる予感に興奮する。
だが、穂積は加瀬の妻を過去に犯していたことを示唆し、加瀬は激しく混乱する。
プロボクサーの亮輔、刑務官の白井、警察官の成田などが絡み、復讐劇が始まる。

  • 感想

全能を装った死刑囚の穂積に魅せられる登場人物の描写は面白い。
ミステリとしては、少しインパクトに欠けるが、悪くなかった。
ルポ作家として、死刑囚の関光彦を追った経験が生かされている。
特に、刑務官の白井が初めての死刑執行を担う場面は迫力があった。

デッドウォーター

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