偽装と汚職

食品の偽装問題や、防衛省汚職疑惑など、国民感情を逆なでするインチキが発覚している。
倫理の欠如と組織の中で視野が狭くなり、「ばれなきゃいい」とタカをくくっていたのだろう。
叩かれて当然だし、公務員の汚職などは、古代のローマの罰則のように、動物の皮に詰めて、河に流せばいい。
だが、こういった不正の温床は、普通に生活を送っている我々の身近に根付いている。
お中元やお歳暮なんかは一種の付け届けだし、民間企業間の接待で、罪悪感を感じる人は少ないだろう。
「お付き合い」という潤滑油を重視する日本人に刷り込まれているムラ社会のDNAは未だに我々の中に脈づいている。
ある意味、飲食店や百貨店、ゴルフ場などは、こういう社会の仕組みの上で潤っているのだと思う。
偽装に関しては、これもまた「上の(立場の)人には逆らえない」という従順な日本人の百姓根性が顕れている。
でも、これが発覚し、すぐにトップに追及の手が迫るというのは、古来の忠臣的立場の人が存在しなくなったからだろう。
昭和の時代は、口をつぐんで自殺する秘書やナンバーツーがいて、事件がうやむやになることが多かった。
それを考えると、この状況は風通しがよくなったのだろうけど、ある意味、底の浅い社会になったような気もする。
まあ、多発している食品の偽装の手口はあまりにもお粗末で、田舎者マル出しという印象だけど。