地図を読めない人

普段、WEBの仕事をしていて、地図を作って欲しいという依頼は年に何度かある。
デジタルデータがあれば楽なのだが、印刷物しかない案件も多い。
これもスキャナで取り込んで、その通りWEBで表示できれば、文句は言われない。
中には3Dにして欲しいとか、周りの写真を入れてFlashで仕上げて欲しいという要望もある。
これも手間はかかるが、そんなには難しいことではない。
結構大変なのは、新しい拠点や店舗ができるときで、これは現地を訪れて、確かめることにしている。
実際に歩いてみて、ランドマークと思われる建物や信号をチェックする。
その後、トレースした市販の地図の上にデフォルメをかけて作っていく。
時間はかかるけど、楽しい作業だ。
ただ、出来上がった地図におかしな修正を入れてくる人が、ごくまれにいる。
ランドマークの追加や、道順を増やすのは理解できる。
でも、東西や南北を逆に作り直せという指示は理解できなかった。
「普通、地図って北が上に来ますよね。」と言っても、聞く耳を持たない。
本人が言うのには、「駅を出たときに、パンフの地図を臍の位置に持ってくると一目でわかる地図でないといけない」
一瞬、理解できなかったが、その人独自の地図の見方なのだろう。クライアントなので指示に従った。
中央線沿いの案件を作ったときも地図の左側が「至東京」、右側が「至新宿」となってしまい、気持ちが悪かった。
その指示を出した人は組織の中では偉い人で、そこの地図は看板も含めて、全部南北が逆になっている。
たぶんこの人は普段から方向感覚がなくて、よく道に迷うのでは無いか思う。