怖い人1

作者：平山夢明｜ハルキホラー文庫
サイコ野郎に襲われる恐怖を描いた実話怪談で、「東京伝説」の姉妹編のような感じ。
POPTEENという雑誌の連載で、「つきあってはいけない」「ふりむいてはいけない」「ゆるしてはいけない」の続編だ。
これからは「怖い人」というタイトルで続けていくようだ。
今回も壊れた人の話がバラエティに富んでいて、よくこれだけネタが集まるものだと感心する。
突然侵入してきた暴漢に、顔中に瞬間接着剤を塗られ、身体に落書きされる女性。
亡くなった夫の遺体に火箸を刺し込む未亡人。動物の遺骸を執拗にポストに押し込む変質者。
孤独死した老婆の家でゴキブリに襲撃される小学生。自殺願望の強い男とのドライブ。
好奇心で電話をすると、自殺サークルのメンバーに死を見届けることを強要される話。
顔中に待ち針を刺す女性に、自傷の様子を携帯メールで送ってくる体育会系男性。
狂い方が異色なので面白かったのは、「思い出？思い出なの？」「追っかけ」「東京のお母さん」
この手の怪談は、そろそろフォロワーが出てきてもおかしくない。

怖い人 1 (ハルキ・ホラー文庫 ひ 1-13)