行きずりの街

作者:志水辰夫新潮文庫
16年前の「このミステリーがすごい!」第一位作品が平積みになっていた。
表紙は古臭く、いまさら何故と思いながら、読んでみた。
女子生徒との恋愛スキャンダルで東京の名門校を追われた元教師が主人公。
故郷で塾を営んでいたが、教え子が行方不明となり、再び上京するところから始まる。
教え子のマンションはかつての勤務校に近く、彼を追い出した連中と顔をあわせることになる。
彼女の失踪が名門校のスキャンダルにつながっていることを知った主人公は、一人で調査をする。
別れた妻との再会し、かつての同僚から学園の暗部を聞き、黒幕を追い詰める。
ハードボイルドかつ、センチメンタルな恋愛小説。
物語として面白く、古さは感じなかったが、傑作なら今まで気づかなかったはずはない。
時間をつぶすのには最適だが、再読したいほどではない。
ただ、この人の小説は他の作品も読もうと思う。

行きずりの街 (新潮文庫)

行きずりの街 (新潮文庫)