イジメと問題教師

福岡の中学校で男児児童が自殺して、教師がイジメの原因になっていたという報道。
報道ステーションでは、遺族が教師達を問い詰めていた。怒りは当然だろう。
その後、報道陣が校長を問い詰めていた。これは少し一方的な弾劾のように見えた。
イジメと問題教師は、昔から存在していて、理不尽な暴力は今よりひどかったように思う。
自分は問題の多い中学校に在籍していたため、毎日のように教師から愛のムチを受けた。
往復ビンタなんて軽いもので、腹部への蹴りや、竹刀やパイプ椅子での殴打の洗礼。
大きな三角定規の角で頭部を殴られ、出血したこともあった。鼓膜を破られた同級生もいる。
一方で教師への暴力も日常茶飯事で、授業中に殴られるシーンはよく目撃した。
集団暴行を受け、あばら骨を何本もへし折られた体育教師は、そのまま登校しなくなった。
毎日どこかで暴力沙汰が発生していた。
それでもパトカーがやってくるのは、卒業式のときくらいだった。
イジメもおおっぴらにあった。でも、誰かを長期間にわたっていじめることはなかった。
イジメの対象は頻繁に変わった。昨日までいじめていた奴が今日からイジメられっ子になった。
不思議なことだが、親が怒鳴り込んでくることもなかった。
ひどい中学校だったが、自殺する奴はいなかった。シンナー中毒で、廃人になった奴はいたけど。
今から思えば、暴力に怯えることはあっても、皆、自我にめばえていなかったように思う。
だから、自殺なんて考えもしない。早い話が、動物園にいたようなものだ。
イジメで自殺なんて、陰湿極まりないが、いつの時代も子供は残虐性を持っている。
今の子供達は、早くから「個」というものを押し付けられているのかなあ。
自分で、自らの生涯に幕を引くなんて、自我がないとできないと思うのだ。
子供が自殺するなんて話は聞きたくないが、学校という閉鎖空間に責任を追及するのも違うような気がする。
少なくとも、公立学校の教師に質を求めるのは昔も今も間違っているということだ。
もちろん、すばらしい先生はいっぱい存在するのだろうけど。