父からの手紙

作者」小杉健治|光文社文庫
母と弟と暮らす麻美子の元には、失踪した父から誕生日ごとに手紙が届く。
周りが望まない結婚を決めた麻美子だが、婚約者が殺害される。
容疑者として逮捕されたのは弟だった。弟の冤罪を晴らそうとする麻美子。
一方、兄嫁をゆすっていた悪徳刑事を殺害し、9年の刑期を終えて出所した圭一。
だが、兄嫁は失踪し、誰も行方を知らない。圭一は兄嫁を探し始める。
二つの話が交互に進み、麻美子の父の失踪が謎の中心として浮かび上がる。
度重なる不幸、徐々に明らかになる過去をスリリングに描いている。
ただ、圭一の視点にはアンフェアな印象を与えるのが、かなり残念だが、
飽きることはなく、最後の父の手紙がぐっとくる。面白かった。
この作家は知らなかった。他の作品も読んでみようと思う。

父からの手紙 (光文社文庫)

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