セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴

作者:島田荘司|角川文庫
最近出た本だが、舞台は「占星術殺人事件」直後の話。
最初の30ページは歴史の講義かと思ったが、本編は御手洗の活躍を描く。
西神田の教会であるものを埋めた老婆が倒れた話を聞いた御手洗。
「これは大事件です」と断言して、友人の石岡と行動を開始する。
老婆は榎本武揚の末裔で、ロマノフ王朝から贈られたダイヤモンドの靴を持っていた。
その靴がなくなったのだが、それを見た人もいない。靴は本当にあったのか?
この作品では殺人事件はなく、靴を探す話が主題になっている。
神保町、水道橋界隈の狭い地域は自分の生活ポイントなので、身近に感じた。
不憫な少女のために働く御手洗は、少し平凡な存在に思えた。
都市工学に関する話は面白かったけど。