誘拐の果実(上・下)

作者:真保裕一集英社文庫
病院長の孫娘が誘拐され、犯人からは前代未聞の要求が届けられる。
「身代金代わりに、入院中の患者を殺せ」その患者は病院のスポンサーだった。
家族は悩んだ末に、警察と偽装を試み、人質を救出しようとする。
同じ頃、第二の誘拐事件が発生する。今回は普通に身代金の要求があった。
だが、身代金を株券で要求しており、指定された株券は病院のスポンサーの会社。
二つの事件は別の管轄で起きており、最初は誰も接点に気づかない。
管轄を超えて、協力しようとする二人の刑事と誘拐された娘の父親が謎を追う。
浮かび上がった意外な犯人と、誘拐という卑劣な犯罪の割りに爽やかな結末。
早い時期に犯人が分かってしまう点とその後の動機を探るところが冗長かな。
もう少し短い内容でも十分面白かったと思う。

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)