硫黄島

作者:菊村到|角川文庫
1957年の芥川賞の表題作をおさめた、戦争小説の短編集。
硫黄島戦の生き残りの青年が新聞社を訪ね、日記を掘り起こしに行くという。
新聞社は協力することにするが、煮え切らない青年の態度に記者は不信感を持つ。
その後青年は単身硫黄島に渡り、投身自殺をする。日記は存在したのか?
記者は関係者を訪ね歩き、青年の実像に迫ろうとする。
終戦から60年が経ち、この時代に生きた人も少なくなった。
人を殺す経験。自分の仲間を殺すこと。青年の自殺の動機が重過ぎる。