母恋旅烏

作者:荻原浩双葉文庫
レンタル家族業を営む花菱家は、元々大衆演劇の役者一家。
父・清太郎はいつかヒトヤマ当てることを夢見て、職業を転々としている。
長男の太一は転校の多い学生生活でイジメにあい、引きこもり気味。
長女の桃代はティーンエイジャーだが子供がいる。旦那とは死別。
次男の寛二は、謎の多い描かれ方をしているが、途中で障害児だとわかる。
そんな家族を支える母美穂子。話の大半は寛二の視点で描かれている。
レンタル家族業のドタバタが前半で、後半は大衆演劇の世界に戻った一家。
長男と長女は自立し、家族が減るが、一座は徐々に昔の活気を取り戻してきた。
元旅芸人の家族の再生の物語。この作者の作品の中でベストの一つだろう。