アフリカの蹄

作者:箒木蓬生|講談社文庫
南アフリカに留学している日本人の医師作田は、人種差別を目の当たりにする。
日本人は名誉白人として厚遇されているが、この医師は正義感に燃えて、
黒人スラム街に赴き、友人となった医師と共に貧民の治療に当たる。
そんな中、絶滅したはずの天然痘が流行し始める。
この国を支配している白人層の陰謀を知った作田は国に残り、戦いを始める。
作田をかばうために拷問の犠牲になる活動家。
作田はこの国の黒人の子供を救うことはできるのか。
この作家はテレビ局勤務の後、医学部に入学し、医師になった異色の経歴で、
「逃亡」「総統の防具」「三度の海峡」など読み応えのある作品が多い。
この作品もとても面白く、正義感あふれる主人公が出てくるのは共通している。
でも、第二次世界大戦を題材にした上記3作品に比べるとインパクトは弱い。
この作家を初めて読むなら、元日本軍憲兵必死の「逃亡」がオススメ。

アフリカの蹄 (講談社文庫)

アフリカの蹄 (講談社文庫)