新耳袋第十夜

作者:木原浩勝・中山市朗|メディアファクトリー
10年以上前に第一夜が出てから、一年に一作のペースで刊行されてきたが、
本作で最終夜となった。第一夜を最初に読んだとき、今までにない怖さを感じた。
表紙を外したときに見ることのできる不気味な写真も毎回楽しみにしていた。
1冊に99本の怪談が収録されていて、長い話でも6,7ページで終わる。
色んな人から収集した怪談を記するというスタイルは新鮮で、
淡々とした語り口と地元の大阪の話が多かったのも興味がもてた。
第一夜から四夜まではかなり怖い話がおさめられている。
最近はダレる内容も多かったが、最終夜は怖い話でキッチリと閉めてくれた。
ダレると書いたが、どの巻も読み始めると最後まで一気に読んでしまう面白さ。
ネットのなかった時代から始まったこの作品集は、
現代の怪談本に間違いなく大きな影響を与えたと思う。

新耳袋―現代百物語〈第10夜〉

新耳袋―現代百物語〈第10夜〉