さまよう刃

作者:東野圭吾朝日新聞社
不良少年たちに娘を殺された父親が復讐に乗り出す話。
一人目を殺した後、父親は警察に犯行声明を送る。
父親は残る不良少年を追いかけ、警察は父親を捕まえようとするが...
徹底的に憎らしく描かれている敵役となる少年。
少年を殺そうとする憎悪以外はごく普通の父親。
父親に同情的な刑事と意外な協力者。
あくまで自己保身のために結果的に捜査をかく乱させた少年の友達。
「一度生じた『悪』は永遠に消えないのです。」
「法律は人間の弱さを理解していない。」
タイトルは警察にも向けられた言葉であるということは、
最後の謎解きのシーンでわかった。
犯罪被害者の遺族が、少年犯罪者を裁くことは許されるのか?
重いテーマの作品だが、最近読んだ本の中で、一番面白かった。

さまよう刃

さまよう刃