困ったお巡りさん

東京で女性を救おうとして、殉職した警官がニュースで取り上げられている。
そのことに水をさすつもりは無いが、自宅近くの警官には困っている。
自転車に乗っていると、やたらと職務質問をしてくるのだ。
最初は応じていたのだが、最近は無視することにしている。
昨日も、靖国通りで呼び止められた。
「何で」と聞くと、「最近、自転車の盗難が多発しているから」という台詞。
「何で自分なのか」と聞くと、「鍵がついていないようなので」という。
自分の自転車に鍵がついている箇所を指差し、「ここについてるんやけど」と答える。
それでも防犯登録をしているかを調べさせて欲しいという。
「それは自分のことを自転車泥棒だと疑っているのですか?」と聞く。
「そうではないが、念のため」と食い下がってくる。防犯登録の番号を見せ、そのまま自転車を走らせる。
「止まれ」と言われるが、「移動しながらでも、調べることはできるでしょう」と答える。
そのうちに、警官はいなくなった。何度も止められると協力する気も失せてしまう。
以前も名前と職場まで聞かれたので、自分の名前を名乗り、相手の名前を教えてもらおうとした。
「何故?」と聞かれたので、「ここでのやり取りで不愉快になることがあれば、神田署に抗議する」と答えた。
途端に警官は解放してくれた。何のための取締りなのか聞こうとしたが、「行っても良い」とのこと。
何のための職務質問なのだろう?大体、盗難された自転車を日中乗り回している盗人がいるとでも思っているのだろうか?
そんなことを本気で考えているとしたら、警官として以前に、人間として馬鹿だ。

無法地帯

作者:大倉崇裕双葉文庫
怪獣モノのグッズが大好きなヤクザ。
お菓子のオマケについているコレクターの探偵。
特撮映画のプレミアグッズを無理矢理盗み出すオタク青年。
この3人が、幻のプラモデル「ザリガニラー」を巡って争奪戦を繰り広げるドタバタ劇。
ヤクザと探偵はいつしか手を組み、オタク青年は何者かに殺害される。
「ザリガニラー」を手にするのは、ヤクザか探偵か。
コメディかつミステリーだが、オタクの性格を面白く描いていると思う。
プレミアムグッズの薀蓄の披露や、UFOキャッチャーの商品の取り方の説明など、飽きることは無い。
ヤクザと探偵のそれぞれの相棒の描き方も良い。
ただ、本来は盛り上がるはずの格闘シーンが多すぎたのが、少しマイナスになっているかな。
でも、オタクミステリーとして、面白く読むことができた。

無法地帯―幻の?を捜せ! (双葉文庫)

無法地帯―幻の?を捜せ! (双葉文庫)