殺人鬼フジコの衝動

作者:真梨幸子|徳間文庫
小学生のフジコは、家では虐待され、学校ではいじめられていた。
ある日、フジコを除く家族が殺害される事件が発生する。フジコは叔母夫婦に引き取られる。
犯人は見つからず、あるジャーナリストは小学生のフジコが殺したのではないかと疑う。
フジコは容姿にコンプレックスがあり、誰にも嫌われたくないために、誰の言うことも聞くようになる。
叔母はカルトな宗教(たぶん創価学会)にハマっていて、フジコのことを気にしている。
そんなフジコは、鳥をいじめているとことを見たクラスメイトを殺してしまう。
殺人は発覚しないまま、高校に進学する。その頃レコード屋の店員の大学生の裕也と出会い初体験を済ませる。
女子高に進んだフジコは、バイトで知り合った杏奈と仲良くなるが、裕也を取られてしまう。
いじいじと裕也を責めるが、裕也が杏奈を殺してしまい、フジコは杏奈の死体を片付けることで裕也と結婚。
だがその生活も長くは続かず、フジコは整形をして、裕也と別れてしまう。
売れっ子のホステスになったフジコは、金持ちの実業家と結婚するが、その後は暗転。
10人以上を殺害したフジコは死刑となる。
この作品は、冒頭と結末は第三者の視点で描かれる。特に結末の囲みの中に書かれた訃報は衝撃的。
イジメのシーンは陰湿極まりなく、女性作家が描くものとしては珍しい。


殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)