Gボーイズ冬戦争

作者:石田衣良|文春文庫
池袋ウエストゲートパークの7作目。IWGPと略すのか?
果物屋の倅で、池袋の街のトラブルシューターのマコトが主人公。
ストリートギャングのキングのタカシやヤクザの若き渉外部長のサルが脇を固める。
1作目から不変で、今回も中編が4作収録されている。
「要町テレフォンマン」は振り込め詐欺テレアポから抜け出そうとする青年の話。
「詐欺師のビーナス」は気の弱そうな男が路上で絵画を売りつけられる話。
「バーン・ダウン・ザ・ハウス」は自宅に放火した中学生が、連続放火犯を追う話。
最後の表題作は池袋に侵入してきた犯罪グループをマコトとタカシが阻止する話。
それぞれの話は面白く、時事問題を取り上げた社会派ミステリの傾向が強まっている。
デビュー作からかなり変化しているが、マコトの口調は変わらない。
より社会情勢にマッチした問題を描いており、面白いシリーズだ。