炎の影

作者:香納諒一|ハルキ文庫
父親が亡くなったという報せを受け、故郷の高崎に戻る公平。
新宿でヤクザの用心棒をしている公平は、元刑事の父親とは絶縁状態だった。
父親の死に疑問を持った公平は、舎弟のアキラと調査を始める。
父は伊香保のリゾート開発の詐欺事件の調査をしていた。
孤児院出身の兄妹と出会い、公平は地元のヤクザと単独で立ち向かう。
日航機墜落事故という、現実の話を絡め、ストーリーは進む。
単なる暴力ヤクザで登場した公平の成長には共感を覚える。
正義に対してあくまで愚直な公平。主人公がカッコイイと思える作品。
600ページを超える長さだが、昨日の新幹線の往復の間に読み終えた。
今まで知らなかった作家だけど、これはメッチャ面白かった。
本のあとがきに「リリシズム」という言葉があったが、はまっている。
一風変わったハードボイルド。他の作品も読もうと思う。