分身

作者:東野圭吾集英社文庫
医療問題を扱ったサスペンス。この人の扱うテーマは多彩だ。
函館に住む鞠子は両親と容貌が全然似ていないことに悩んでいた。
東京でバンドのボーカルをしている双葉は母からテレビ出演を禁止される。
その後、鞠子の母は自殺し、双葉の母はひき逃げで死亡。
二人はそれぞれ原因を探り、自分の出生の問題にたどり着く。
実はこの二人、まったく同じ容貌だった。交差しそうでしない二人。
それぞれ協力者が現れるが、同時に何者かに狙われる。
二人の章が交互にテンポよく進み、読みやすかった。
ただこの人の作品は結末があっけないという欠点がある。
とても面白い作品なのだが、今回もそうだった。

分身 (集英社文庫)

分身 (集英社文庫)

東京伝説

作者:平山夢明竹書房文庫
正式タイトルは「東京伝説〜ゆがんだ街の怖い話」で、東京伝説の6冊目。
変質者、サイコパスに突然襲われたり、拉致・監禁される話がいっぱい。
読んでいて気持ち悪くなるが、このシリーズは面白い。
叉焼握り」「顔を割るか足を絞るか」は読んでいるだけで痛くなる。
「燃える父」「家庭内暴力な兄」「飛び込み」は笑える。

東京伝説―ゆがんだ街の怖い話 (竹書房文庫)

東京伝説―ゆがんだ街の怖い話 (竹書房文庫)