ふたたびの虹

作者:柴田よしき|祥伝社文庫
東京丸の内の古びたビルにある小料理屋の「ばんざいいや」
女将は、京風の料理を作り、客に提供していた。
訳ありの客が巻き込まれるトラブルを、女将の観察眼で解決していく。
不倫の末に鉄道事故で亡くした父を引きずるOL。
常連客が強盗に殺害され、容疑者となった女性を救う話。
前半は短編推理小説だが、後半は女将の過去の謎を追うストーリーに変化する。


展開が変わることに不自然さはなく、料理の描写も上手い。
女将の過去の傷を感じつつ、そばに寄り添う骨董屋の清水の存在もいい。
女将の異国での波乱万丈な展開もあるが、心地良い読後感が残る作品。


ふたたびの虹 (祥伝社文庫)

ふたたびの虹 (祥伝社文庫)